フィラリア症について
犬のフィラリア症とは、そうめんのように細長い犬フィラリア(犬糸状虫)と呼ばれる寄生虫が、犬の肺動脈や心臓(右心系)に寄生し、全身の血液循環や呼吸器、肝臓、腎臓に深刻な障害を与える、恐ろしい寄生虫感染症です。
フィラリア症の流行地では、予防対策をとらなければ、ひと夏で80~90%の犬が感染するといわれています。
犬以外にも猫やクマ科などの食肉目科の動物にも感染・発症します。
また、ヒトでは発症はしませんが、感染をすることがあります。
予防方法
フィラリア症は蚊に刺されることで感染する寄生虫疾患です。
フィラリア症予防は、蚊が発生する時期に合わせて、5月から12月までの8カ月間、毎月1回飲み薬やスポット剤の投与が必要になります。
- 注射薬の場合は、1回の投与で12カ月間効果が持続しますので、1年に1回の投与で予防が可能です。
フィラリア症はきちんと予防すれば100%防ぐことができる病気です。
1カ月予防を忘れることで、予防率が下がってしまいます。
いつまでも健康で過ごせるよう、投与期間を必ず守り、しっかりと予防することを心がけましょう。
犬のフィラリア症予防薬の種類
飲み薬
チュアブル(お肉タイプ)
お肉タイプでおやつのようにおいしく投与できます。
同時にノミ・マダニ、消化管内寄生虫を駆除できる「オールインワンタイプ」のものもあり、おいしく食べてくれる場合は、投与し忘れることも少なく、投与のストレスがとても少ないお薬です。
錠剤
錠剤は、食物アレルギーがある子や、おなかが弱い、おやつを食べないなどの場合にも、大好きな食べ物に包んで隠して与えることができるお薬です。
スポットタイプ(滴下タイプ)
皮膚に塗布する滴下タイプは、食物アレルギーがある子や、おなかが弱い、おやつを食べないなどの場合にも、確実に投与できるお薬です。
注射タイプ
1回の注射で1年間フィラリア症予防の効果が持続しますので、1年中いつでも予防でき、春の混雑時期を避けることもできます。
毎月の投与の手間も省けて、うっかり忘れることも防げます。
猫のフィラリア予防
フィラリア症と言うと、犬が感染する病気として知られていますが、近年猫にも感染することが分かってきました。
感染した場合、食欲不振・嘔吐・失神・喘息などの症状や、場合により「突然死」を招く可能性のある、恐ろしい病気です。
完全室内飼育だとしても、感染のリスクはゼロではありません。猫も犬と同様にしっかりと予防することをおすすめします。
猫のフィラリア症の予防薬
スポットタイプ(滴下タイプ)のみとなります。
ノミや消化管内寄生虫の駆除にも効果があります。
予防方法
蚊が発生する時期に合わせて、5月から12月までの8か月間、毎月1回投与します。