国立市 国分寺市 動物病院

ノミについて

 ノミは動物の体表に寄生し、吸血する外部寄生昆虫です。
ノミの吸血により、犬・猫に貧血、痒み、皮膚炎、ストレスなど直接的な害を与えるだけではなく、犬・猫や人へ病気を媒介するなど、間接的な害も及ぼします。

ノミの寄生は、主に犬や猫が多く集まる場所(犬の散歩コース、ノラ猫のたまり場、ドッグランやショッピングモールなど)でおこります。

ノミの成虫は光の刺激や動物が出す二酸化炭素・体熱に反応し、近くを通りかかった動物に飛び移り寄生します。
また、飼い主が屋外から、ノミの成虫や卵を衣服につけて持ち帰ってしまうこともあり、室内に持ち込まれたノミの成虫や卵が、繁殖と成長を繰り返し、屋外に出ない犬や猫でも感染してしまうことがあります。

ノミの予防対策

ノミの駆除薬にはさまざまな種類があり、おいしいチュアブルタイプ、錠剤、スポットタイプ、などの形状があります。
それぞれ細かい効果や価格の違い、動物に適した投与タイプなどを考慮して選びましょう。

チュアブル(お肉タイプ)

チュアブル

お肉タイプでおやつのようにおいしく投与できます。ノミ、マダニ、フィラリアを同時に駆除できるタイプのものもあり、おいしく食べてくれる場合は、投与を忘れることや、投与のストレスがとても少ないお薬です。

スポットタイプ(滴下タイプ)

スポットタイプ

皮膚に塗布する滴下タイプは、食物アレルギーがある子や、おなかが弱い、おやつを食べないなどの場合にも、確実に投与できるお薬です。

錠剤

錠剤

錠剤は、食物アレルギーがある子や、おなかが弱い、おやつを食べないなどの場合にも、大好きな食べ物に包んで隠して与えることができるお薬です。

マダニについて

マダニについて

 マダニは、食品等に発生するコナダニや、衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとは種類が異なり、哺乳動物、鳥類、爬虫類などの体表に寄生吸血し、病気を媒介する害虫として問題視されています。
主に森林や草むらなどの屋外に生息し、市街地周辺でも見られます。
マダニは未吸血時で2~5.5mm、種類によっては吸血後30mmになることもある大型のダニで、固い外皮に覆われています。
マダニは、犬や猫に貧血や皮膚アレルギーなどの直接的な害を与えるとともに、ウイルスや細菌、原虫などさまざまな病原体を媒介します。
最近では、日本でも人や犬猫においてSFTS(重症熱性血小板減少症候群)と呼ばれる、マダニが媒介する病気が発生しています。
犬と猫の症状は、発熱、白血球減少症、血小板減少症、食欲消失などの症状で、重症化すると死亡することもあります。

 春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。現在のところSFTSウイルスに対する有効なワクチンはありませんので、防除が大切になります。
犬にマダニ駆除薬を投与しておくことはもちろんのこと、人においても山林や草むらなどマダニが多く生息する場所に入る時には、肌の露出を極力少なくした服装をするように心がけ、また、むやみやたらに野生動物に接触しないようにしましょう。

 動物病院で取り扱われているマダニの予防薬は、ノミ・マダニの駆除薬となっているものがほとんどです。
さまざまな種類がありますので、投与のしやすさ、価格、ノミ・マダニ以外の害虫への効果などを比較しながら選びましょう。

カトレア動物病院 画像082